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タイヤの空気圧

空気圧の重要性

タイヤには空気が入っています。車だけではなく自転車やバイクのタイヤにも空気は入っています。
空気を入れないタイヤを使っているのは、フォークリフトをはじめとした一部の産業機械だけです。
タイヤにはなぜ空気が入っているのでしょうか?

タイヤの空気圧表 タイヤ空気圧

タイヤに空気を入れる理由はいくつかありますが、特に重要なのは、重量に耐えながらクッションを持たせることです。
重量に耐えることだけが目的ならタイヤに空気は入れません。
タイヤを単なるゴムの固まりにするのではなく、中に空気を入れて風船のようにすることでクッションを持たせて、より乗り心地を良くするのです。

非常に重要な役割を持つ空気なのですが、皆様はどのように管理していらっしゃいますでしょうか?
各車輌には必ずメーカーの指定する空気圧があります。(運転席のドア付近・ガソリン給油口蓋の裏などに記載してあります)
それは車両重量だけではなく、車輌の特性・最高速度・使用条件により、タイヤの性能を最大限発揮する為に設定されている数値です。

    

タイヤは空気圧が高くても低くてもその性能を十分に発揮する事は出来ません。低燃費タイヤを装着しても、空気圧不足で走行していては、全く意味が無くなってしまいます。

空気圧不足 空気圧過多
  • トレッド両側の異常摩耗が発生する
  • ハイドロプレーニング現象が早く発生する
  • 操縦安定性を損なう
  • 燃費が悪くなる
  • 走行騒音が大きくなる
  • 発熱による故障が起こりやすい(バースト等)
  • トレッドセンターの異常摩耗が発生する
  • 接地面積が減りグリップ力が低下する
  • 縁石などでの損傷を受けやすい
  • 跳ねるような乗り心地になる

そして車に乗らなくても自然に空気圧は低下していきます。(月5%~10%)

皆さん、空気圧不足の危険に対する認識は充分だと思われます。

お客様より車輌指定の数値より高く充填してほしいとのご依頼を頂く事が多々ございます。

しかし、当社が広くみなさんに知って頂きたい事は、上記の空気圧過多によるデメリット。

その為、当社では車輌指定圧での充填を原則とし、指定圧より高圧をご希望の場合には、上記のデメリットをご説明させて頂いた上で、指定圧の10%を上限に充填させて頂いております。

月に一度は空気圧点検を実施し、適正圧での走行を心掛けて頂ければと思います。

窒素は本当に必要?

タイヤに空気の代わりに窒素を充填する事がある事は皆様ご存じと思います。

この窒素、皆様正しく理解してご使用になっていらっしゃいますでしょうか?

窒素を入れる大きな理由は、空気圧が減りにくいこと。
ゴムは空気をためておくことが出来ますが、少しずつではありますが、空気を通してしまうのです。
ゴム風船を1週間くらい放置するとどんどん小さくなりますよね。
タイヤも同様で、使用状況にもよりますが、タイヤの中の空気は一ヶ月で約10kPaくらいは減ってしまいます。
それが窒素では、酸素に比べてゴムの透過率(簡単に言うと漏れやすさ)が1/3になるのです。
タイヤに空気でなく窒素だけを入れておけば、空気圧が下がりにくく安心できるということなのです。

さて、ここまで読んで気付いたと思いますが、窒素を入れたから空気が漏れないという事は全くございません。
漏れないと勘違いをして、逆に窒素を充填している車輌の方が、低空気圧で走行している事もよく見られるのです。
また、窒素を入れている車には普通の空気を入れてはいけないと間違った認識をしていらっしゃる方が多い事がございます。

もともと大気中の窒素の割合は78%

空気圧が低いからと言って、窒素を入れられる所を探すよりは、少ないと分かった時点で通常の空気を入れた方がよっぽどタイヤにも車にも環境にも優しいのです。
また、酸素より窒素の方が熱膨張率が少ないという事も全くございません。

シャルルの法則によると…

一定量の気体の体積は、気体の圧力を一定に保ったまま、温度を1度上昇または下降させると、0度の時の体積の273分の1だけ膨張または収縮する。

とありますので膨張率は変わりません。

温度により空気圧が大きく変わる理由は空気中の水分なのです。
水分は気化すると、1700倍の体積になり、空気圧の上昇を引き起こします。
湿度の高い空気を入れる事により適正空気圧へ設定しても、走行による温度上昇により、空気圧過多の状態が引き起こされ、空気圧過多によるデメリットが発生してしまいます。
ですので、タイヤに入れる空気は水分を含まない乾燥した空気である事が重要です。
ボンベより充填される窒素は水分を含まない為、温度による空気圧の変化は少なくなります。

しかし当社では、ドライヤー付のコンプレッサーを使用し、水分を含まない空気でタイヤの空気を充填しておりますので、ご安心ください。
(ちなみにF1等で窒素が使われていると言われていますが、実はこのドライエアーの方が多く使われているそうです)
以上の点から、定期的に空気圧を定期的に点検できる環境であれば、窒素はほとんど必要ない事になります。
この点をご理解頂いた上で、窒素をご用命頂ければと思います。

高速走行時の空気圧は?

空気圧を調整する際、高速を走行するので高めに設定するという事を聞く事があります。

タイヤ空気圧

実際に高速を走行する上で、空気圧を高く設定する必要があるのでしょうか?
結論から言うと、日本の道路交通法上では、空気圧を高める必要は全くありません。
車輌メーカーが設定している空気圧は160km/h以下で使用する際の指定空気圧なのです。

日本の高速道路の最高速度は100㎞/h…

高くする必要はありませんよね?
それに走行する事による熱膨張で、高めに設定せずとも、走行する事により空気圧が高くなります。
結果として空気圧過多によるデメリットが発生する可能性が高くなる為、車輌メーカー推奨空気圧での走行が望ましいと言えるでしょう。
(160㎞/hを超えて使用する際には、その速度に応じて空気圧を高めなければいけません。詳しく知りたい方は問い合わせフォームよりお問い合わせください。)

ちなみに制限速度無制限区間のあるドイツの車輌メーカー【MERCEDES】の設定空気圧の表では…

車輌メーカー【MERCEDES】の設定空気圧の表

210㎞/h以上で走行する際に空気圧を高めるように指定されています。
サーキットなどをアクセル全開で走行する機会がない限り、空気圧を高く設定する意味は全くありません。
適正空気圧での走行を心掛けて下さい。

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